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救命救急センターで「特定看護師」として活躍している卒業生にインタビューしました

本校の看護学科を卒業し高知市の救命救急センター、近森病院に勤める卒業生高野佑樹さん。
近森病院様では特定行為研修を修了した看護師を「特定看護師」として呼び、高野さんは病院のHCU(高度治療室)病棟で患者さんや周囲の方からも厚い信頼を得て勤務しています。

どうして看護師になろうと思ったのですか?
元々は教員になりたかったんですが、高校3年生の時、祖父が大腸がんを患いました。自分はおじいちゃん子だったので、大変な思いで生活しているのを見て、同じような思いで苦しんでいる人を助けたいと思い看護師という道を選択しました。また、4年間かけてしっかり学びたいと思い、穴吹医療大学校への入学を決めました。

穴吹学園で学んでいた時の思い出を話して下さい
在学中に学校パンフレットのモデルになったことは懐かしい思い出ですね(微笑み)。
在宅看護実習のとき、厳しい指導者さんが担当されて「やる気がある?」と言われ、休みの日まで出勤して教員の方が指導してくれました。どちらかというと後ろ向きな性格で自分の消極性を指摘されたんだと思います。厳しい指導だったけれども学びは大きかったです。また、1年次より先生方からは厳しさと優しさの両面から指導されましたが、国家試験を控えた4年次にチューターの先生から模擬テストの後「国家試験に受かる気あるん?」と叱咤激励を受け、その後学習をサポートしてもらい、お陰で国家試験に合格できました。学生のとき出会った先生については、みんなによく関わってくれた思い出があります。何もできなかった自分があり、後から考えると命がけで関わってくれたように感じて忘れられません。
実習に行く前に、学校の奈良先生から「看護ってどう書く?目と手で見ると書くよね。手と目で看て、守るのが看護なんよ」と話されたことはよく覚えていて、今でもその言葉を大切にしながら、看護実践の際は必ず見るだけでなく触れることを実践するように心掛けています。

看護師としてこれまでどのようなキャリアを積んで来られましたか?
入職当時は整形外科・形成外科の混合病棟で1年半勤務しました。その後、整形外科単科に異動し2年間勤務、そのキャリアの中で特定行為研修を受けようと考えました。昨年研修を修了し、それまで外科系の処置の経験のみだったので、内科系の経験も必要とのことでHCU(High Care Unit:高度治療室)病棟に配属となりました。

どうして「特定看護師」になりたいと思ったのですか?
整形外科の配属中に、そこで活かせるスキルは何かと考えて特定行為研修の受講を考えました。救急外来にて低体温症で意識障害のある患者さんを対応したとき、「なぜ意識障害が出ているのか」などを自分で考えて動くことができず、手も足も出ない自分がいました。それまで外科的に傷の処置をするだけだったように医師の指示を受けて患者さんを看るだけでは足りなかった。知識がないとダメということに5年経って気付けました。

近森病院では一般看護師と「特定看護師」とでどのような違いがあるのですか?
近森病院には全国で約8800人いる特定行為研修を修了した看護師のうち、およそ3.8%にあたる約30人が所属しています。
他の研修生から病院によっては特定行為の実施を認められていないところもあると聞いていましたが、当院では特定行為の経験を増やすことができるようサポートがあります。例えば、当院ではCV抜去やデブリードマン、PICC抜去などの実施を任されています。特定行為を実施するので責任が生まれますが、他の「特定看護師」や主治医と相談のうえで実施しており、専門的なアセスメントに関しては、協働して行っています。
学生時代は大学病院への就職を希望していましたが、もしそれが叶って大学病院に入職していたら「特定看護師」として自分の経験やスキルを高める道も開けていなかったように思います。

デブリードマンを行う高野さん

学生時代のことで今の自分に役立っていることは何ですか?
多くの友人と切磋琢磨しながら高め合えたことです。実習や試験など大変なことも多かったですが、看護学校3年生くらいから自分自身の看護について考えるようになり4年間かける必要を感じたのは間違ってなかった気がします。また友達とたくさん遊べました(笑)。今でもよく高松には遊びに行っています。

母校の後輩たちやこれから看護師をめざす高校生にメッセージをお願いします
看護師を目指すことで大変なことは多くあります。でも勉強に関しては誰もが1からのスタートなので、目指そうと思った最初の思いを大切にしながら頑張って学んでほしいです。看護は一生勉強と言われますが、人の一生に関わることができるやりがいのある素敵な職業です。一人でも多くの命を救い、患者さんやご家族の笑顔を増やせるよう一緒に頑張りましょう!

(取材時:令和5年11月28日、協力:社会医療法人近森会 近森病院 様)