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作業療法について教えてください!~作業療法士の植野先生が答えます

学生を指導し続けてきた教員が、この分野をめざす人にずっと語ってきたことについて穴吹リハビリテーションカレッジの先生に教えてもらいました!

作業療法学科の植野 英一先生からお話を伺いました

作業療法学科 植野 英一先生

どんな時もあきらめずに根気強く、優しく対象者さまに接する

身体の不自由さ、心身の機能低下=その人の生活の質の低下ではありません。
作業療法士はセラピストとして、対象者さまの心身機能、環境、そしてその人の個性や、大切にしている生活スタイルなどを把握しなければなりません。その人の個性や、大切にしている生活スタイルなどを把握しなければなりません。その人が望む暮らしを知り、具体的にどのように関わって生活の質を高めていくのかを考えます。
対象者さまが希望する将来像を実現するために、環境に適応した行為の繰り返しが必要です。対象者さまが希望するQOL(生活の質)の向上には生活行為を変えるとともに、その人の暮らしの中で「楽しむ」・「笑う」などの時間を作ることも大切です。
そのためには?その人の持っている機能を最大限に活かし、また、その人にとって便利な道具を活用して生活行為の向上をめざします。
学生には対象者さまと関わりながら繰り返し言葉を交わし心を通わせる努力と、その過程(変化)を楽しめる作業療法士になってほしいです。

あなた自身が対象者さまの暮らしを変える治療材料なのです。

ピアノの鍵盤を叩けば音は出ますが、好きな曲を演奏するには何度も繰り返し練習しなければ上手に弾くことはできません。また、自転車の乗り方を人からたくさん教えてもらっても、実際に自分が自転車にまたがって運転しないことには上達しません。
対象者さまも同じです。食事や着替え、物品や時間の管理、緊張せずに人と話をすることなど、対象者さまにとって必要な生活行為を獲得するためには、ご自身がその行為を行わなければ成り立ちません。

そのためには、作業療法士は「人体の構造と機能および病気や怪我といった医学的な知識」を持ち、「様々な作業や活動の工程で求められる心身機能や社会性を分析」してその特性を知り、「物品の高さや形状を変えたり、ないものは必要に応じて作り環境を整える」そして、最も大切な本人の「やる気スイッチをオンにする」ことによって「その環境に適性した動きを練習し、行為を獲得」してもらえるようにします。
何より、対象者さま自身が主体性を持って行うことに意味があります。そこで作業療法士に求められるのが、言葉遣いや表情を臨機応変に対応させ、対象者さまの最善の利益を意識して関わることであり、作業療法士自身が治療の材料となることなのです。

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