カンボジア医療研修報告・その2
作業療法学科 松下楓季
①インパクトがあったこと、思い出
クメールソビエト病院で特に衝撃だったのが利用者やベッドが廊下に並んでいたことです。病院が政府予算と寄付金で運営されており、貧しい人でも無償で医療を受けられる一方、設備の不足や維持に課題が生じてくるという病院運営の難しさを痛感しました。しかしながら、家族のケアが厚く、入院中も家族がずっと付き添って看護的ケアを行っており、在宅復帰への期間が短い理由の一つと感じました。
義肢装具センターでは、教育と装具の提供が双方に利益がある形で行われていました。見学時は、大腿部で切断の患者さんに学生さんが計測・作成・実装までを行っていました。患者さんの金銭的負担が無く、学生は実践経験を豊富に積むことができるという利点がありました。私自身、義肢装具に興味があったため、いつかこの義肢装具センターで学生として教育を受けてみたいという気持ちが芽生えました。
その他の思い出は、マーケットでの一人行動です。最初は複数名の行動でしたが、後半のロシアンマーケットでは一人で歩きまわり、大幅な値切りに成功しました。初めは言葉の通じない場所で一人は絶対無理と思っていましたが、意外と一人でも行動できることから、一段階レベルアップしたように思います。
②日本医療の良いところ、課題
今回の研修を通して日本医療の良いところは、どの病院に行っても高品質な医療を受けることができるところ、術後のケアがしっかりしているところだと思います。日本では貧富の差があまりないことや医療が発達していること、保険制度が機能していますが、カンボジアは医療サービスや設備に差があり、また医療従事者の知識にも差があり、患者さんが必要なサービスが受けられず重い障害が残ったということも聞きました。民間病院とではもっと大きな差が生じていました。
③これからの自分やリハビリに活用できること
私はまだ、実習の経験もなく知識もあまりありませんが、日本での当たり前が他国では違うということを身をもって学ぶことができました。何故違うのかはその国の歴史や文化、国民性をよく知ることで理解していけるということも学び、相手の情報を引き出す力・何事でも疑問に思う力を鍛えていく必要があると感じました。今回の研修に参加を決めた時の、とりあえずやってみるチャレンジ精神は私の成長につながるため、今後の実習や臨床で活用できると思いました。