穴吹カレッジ × SDGs 「すべての人に健康と福祉を届ける」活動
穴吹学園では8月と9月に2回の新型コロナウイルスワクチンの集団職域接種が行われました。
通常、この時期に行われる地域実習が中止となったため、代わりとして校内実習を実施しました。その一環として、穴吹医療大学校の学生たちがワクチン接種の補助として参加し、合計7日間、のべ1400人の対応や誘導を行いました。
今回、学生たちが患者様を前にして行動したこと、工夫したこと、参加後に心に湧いた思い、先生の指導方法など、補助を終えるまでの裏側のお話を伺ってきました。
1~4/
看護学科4年
上原 涼吾さん・宮城 知穂さん、
吉田 展子先生
5〜7/
医療事務・ドクター秘書学科2年
林 祐紀さん・山本 偉乃里さん、
小林 麻衣子先生
インタビュー/中田・久米
1.きっかけは、前向きに「参加したい」と思ったこと
−
久米
まずは、8/10〜12に行われました、新型コロナワクチン職域接種の補助、お疲れ様でした。
私たちはワクチン接種を受けた側なので当日の様子がとても鮮明に残っています。準備やたくさんの方への対応など大変だったと思います。
今日は、実際補助に参加してみて感じたことなどお話を聞かせていただこうと思います。
どうぞ、よろしくお願いします。
−
中田
職域接種の補助に参加するきっかけを教えてください。
−
宮城
在宅看護論実習の一環として参加しました。
−
中田
それは全員参加ですか?
−
吉田
参加しないという選択の学生は誰もいなかったですね。在宅で自習するくらいだったら体動かす方がいいというね。(笑)
−
宮城
アクティブ派なんで(笑)
−
全員
あはは
−
中田
患者さんに会う機会が、今はなかなかないですもんね。
−
吉田
本来だったら実習場で患者さんのところへ訪問したり、訪問する場面を見て実習するという機会だったんですけど、それがなくなり。
代替実習の中でいろんな工夫をしながら実習をしていたんですが、書いたり勉強したりばかりでは限界があるので、直接人と触れ合う良い機会になったと思います。
今回は地域の関連企業の方もいらっしゃるということで、看護を目指すものとして一躍を担いたいという思いで。
私はね。(強めに)
−
全員
(笑)
−
中田
上原さんは参加しませんか。と聞いたときにどう思われましたか?
−
上原
「ワクチンの職域接種」ってニュースとかで耳にする言葉っていう感じで、実際どんなことをするのか分からなかったけど、やってみてもいいかなって。
−
中田
ポジティブに 笑
−
上原
やってみようと!思いました。
−
中田
宮城さんはどうでしたか?
−
宮城
職域接種で自分も実際に受けるワクチンだったので、関わることができるのが貴重な体験だと思ったので参加しました。
−
中田
2人とも前向きな感じで参加したということですね。
−
吉田
学生たちは普段からボランティア精神があるので、声をかけても嫌とか、できないとは言わないんですよ。
職域接種が決まって、学生に参加させたいといわれたときに、私は間違いなく4年生が良いと言いました。
彼らに力があるのも知っていたし、在宅でいるちょうどいい期間だし、実習で煮詰まっているところで、少し体を動かしてみるのもいいかなと。
職域接種から学べるものはたくさんあると思ったので。
−
中田
確かに、集団接種はなかなか機会ないので、すごい貴重な経験をされたんじゃないかなと思います。
−
上原
そうですね。
−
2.当日までに準備したこと
−
中田
職域接種が決まって、当日までに先生からの説明や、自分たちで勉強したこと、準備したことがあると思うんですけど、最初は何から始めましたか?
−
上原
椅子の準備と会場設営です。
−
久米
会場設営のレイアウトがきちんとされていたんですけど、みんなで準備されたんですか?
−
吉田
奈良副校長が中心となって、考えました。
9階の体育館を使う案もありました。ただエレベーターの中でいろんな人が入り乱れるのはよくないなという意見もあって。
最終的に、1階のエントランスホールと2階の学生ホールを使う方向で、決まりました。
人流を一方向に流れさせるということで、接種会場を図書室に設けて、待機の場所を接種前と接種後、アレルギーなどがあって30分待機の方はドクターのいる場所で、もし副反応が出ても対応できる部分は私たち看護師が見守りをするという形を取りました。
細かなレイアウトは動かしながら、その時その時に対応をしました。
ただ、第1段階の受付で学生が積極的に動いてくれました。
来た方も初めてなので、戸惑っている中、「接種券はお持ちですか」とか一番に声をかけてくれていましたね。
最後の日は雨が降ったりしましたけど、人が動き出したときの対応や判断は、その時の状況を見て動きを変えてできていたと思います。
−
中田
動線を考えた後には、当日までに何度か練習はされたんですか?
−
上原
練習はなかったです。誰がどこに立つかとかも当日状況を見ながら。
−
吉田
当日は2階から1階をのぞいて、まぁまぁ上から指示も出しましたね。みんなの動き監視してたみたいに。笑
ただ私が感心したのは、「先生こうした方がいいと思うんですけど」って学生から言ってましたね。
−
久米
こうした方がスムーズかなとか?
−
上原
動きながら動線が変わっていくので、1日やった後でも変更しないといけない部分はありました。でも臨機応変に動けたことで将来にも役立つ経験だと思いました。
その場にいた学生と協力もあって、こうした方がいいよね。ってみんなで話し合って、決めたりしました。
−
吉田
学生同士、助け合っていましたね。
非常に足はだるかったと思う、立ち仕事はしんどいだろうなと思って。そこそこ椅子は用意したんですけど、一瞬座ったとしてもずっと座り続けるとかはなかったですね。
そこはすごいと思いましたね。
−
久米
私たちもとまどうことなく進めたので、すごいなと思いました。
1日何人くらい対応されたんですか?
−
吉田
1日700人ずつです。
−
上原
僕たちは3日連続参加しました。
−
吉田
2回目あると言われたらどう?(笑)
−
中田
そんな中、私たちには疲れなどは感じさせない対応と、優しくお声かけいただいたんで、安心してワクチン接種できました。
じゃ今度は、宮城さん。
準備していく中で、こういうところが将来役立つなと思ったところはありますか?
−
宮城
準備していく中で、それぞれの担当の場所についたんですけど、接種者が来る前に自分に何ができるかなって考えて、学生同士でどんな動きをすればいいかを話しました。
自分たちで考えて、動けるようにすることは将来にも役立つことかなと思いました。
−
宮城
うまくいったところもあるんですけど、その場で違うなと思ったことはあったので、相談し合いながら他の学生とも話してやっていくうちに、だんだん思うようにスムーズにできるようになりました。
−
中田
1日目より2日目といった感じで徐々に改善していったんですね。
じゃあ、3日目はうまくいきましたか?
−
宮城
学生たちみんな、うまくいったなって言ってた!
−
中田
それは嬉しいですね。
−
上原・宮城
嬉しいです(笑)
−
上原
達成感あるよね。
−
宮城
うん。あるよね。
−
3.当日を迎えて
−
中田
リハーサルがなかったというのが、とてもびっくりしました。
-
吉田
もちろん、業者の方との打ち合わせは3回くらいありました。
どなたがワクチンを溶解するのか、人数を集約するのかとか。なんとなく漠然と、学生はここにいた方がいいな、教員はここ、看護師免許持っているので、ここにいた方がいいなとは考えていました。
細かな指示と言うよりは、学生たちに「この場所ではこう言う動きをしてほしい」ということは伝えました。
伝えると、みんなそれに応えてくれていたので、他の先生たちはみんなに100点あげてと言ってましたね。
-
吉田
医療事務の学生の
「次の方どうぞ!」っていう絶え間ない笑顔と所作にも感心しました。
-
中田
言われたことではなくて、自分たちで考えてできること。
看護の学生。医療事務の学生。それぞれの良さが発揮されたということですね。
-
吉田
それができていたなと思います。
基本的な感染予防行動というのを分かっている学生だから、どういう風に接したらいいのかがその場でできたのかなと思います。
-
中田
1日目、2日目、3日目と徐々に疲れはたまっていったと思うんですけど、達成感は高まっていった感じ?
-
上原
3日目は雨で、今までと全く違う動線でした。
入口と出口が一緒だったので、その時にどうすれば混雑しないかを考えて、「こっちにもう1人必要だね」「こっちとこっちを入れ替えだね」と学生たちと話をして、徐々にうまく流れを作っていけました。
-
吉田
任されている自分たちを感じたでしょ?(笑)
-
中田
そこは先生がそうしなさいとは言わなくても?
-
吉田
多分、上原くんがリーダーシップをとっていたんですよ。1年生のころから彼には担わせていたので、自然と彼に協力していく波があったんだと思います。
-
上原
みんな協力もしてくれるし、意見も言ってくれるし。
-
宮城
(上原くんは)言いやすいです(笑)
-
全員
あはは
-
久米
リーダーシップをとれて、意見も言いやすい人というのは、社会ではなかなか貴重ですよ。
「こうしてほしい」と言うだけでは社会ではうまくいかないこともあるので。
-
中田
社会の先輩の言葉ですね。
-
全員
(笑)
-
久米
周りの人がついてくるというのは素晴らしいです。
上原さんの良さを、これからも大切にしてください。
−
中田
3日間を終えて、2回目の接種につなげるための改善策などありましたか?
-
吉田
2回目は決まっていましたが違う人材で動かそうと考えていました。次は3年生に、また違う4年生でと。
コロナのせいで実習場に行けてなかったので、コロナで起きたことはコロナで返させよう、この機会を活かさない手はないなと思ってました。
別の学年と別の学生、あとは医療診療の学生さんにお手伝いいただいて。
看護師(先生)は同じメンバーで、ですね。疲れるといいながらも引き受けてくれましたね(笑)
-
中田
笑顔で?(笑)
-
吉田
(もちろん)心から望んで。(笑)
−
4.3日間参加して、感じたこと
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中田
体力的にはどうでしたか?
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上原
ずっとその場で立ちっぱなし。結構しんどかった。
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久米
お昼休みは取れましたか?
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吉田
多少ずれてとりました。
ただ、午後からの薬液の吸い上げを任されていて、350人分を、14時にスタートさせないといけなかったので看護師は吸い上げ、学生は注射の準備をお願いしました。
午前の誘導の途中から準備をしたので、誘導する学生と、午後からの準備とを手分けしてしました。
-
中田
学生さんは注射器の準備を?
-
吉田
学生は注射器の吸い上げはできないので、注射器の準備だけです。
看護師免許のある私たちは、液の吸い上げをしました。
-
中田
そこまで準備までされてたなんて知らなかったです。びっくりですね。
では、誘導をする中で、大変だったことはありましたか?
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上原
接種される方が早めに来たりとか、
時間がバラバラにきたりとが、大変でした。
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宮城
少しざわざわしたりした時には、先生が「静かにお待ちください」と伝えてくださっていました。
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吉田
先生によっては外国の方にはその場で外国語を検索して、伝えたりしていましたね。
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吉田
学園関係のいろんな方が学生の動きを見てくださっていて、すごく褒めてくださっていました。終わった後には副校長からも私たちにも労いの言葉をかけてくださって。
あ、フィードバックしてなかった?(笑)
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上原、宮城
聞きました、聞いたよね?
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上原
聞きました!
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中田
でも嬉しいですよね。ちゃんと見てくださって、お声かけいただけるって言うのは。
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吉田
この時代のこの体験ができたのは、一生に一回と思うよ。
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上原
僕はやって良かったと思う。関われたことに。
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宮城
はい。私も。
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久米
今後ね、病院だけじゃなくて災害現場に行くこともあるかもしれないし、大勢を一度に対応しなければならない状況があると思うんですよ。
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吉田
近くで災害があったら、行きたいと思うやろ?
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上原
行ってみたい!
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宮城
私も、行ってみたいです。
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吉田
神戸の震災があったとき、現役の看護師でした。結局行ってできることって、来た人の話を聞くことだけだったんですよ。
医療従事者というのは、緊急事態に自分たちに何ができるかって求められていると思うんです。コロナの状況であってもエッセンシャルワーカーとして役割を果たすことが大切だなと思います。
(大きめの声で)私も一躍が担えて光栄でした!!
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全員
(笑)
-
中田
おふたりに質問です。どんな看護師さんになりたいか、教えてください。
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上原
「任せとけ」が似合う、看護師になりたいと思います。
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中田
心強いですね。
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上原
(宮城さんに)はい、バトンタッチ!
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宮城
迅速に対応して信頼される看護師になりたいです。
-
中田
ぜひ、夢を叶えてください。
応援しています。
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中田、久米
今日はありがとうございました。
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5.準備する中で気を付けたこと
−
久米
9/8〜10に行われました、第2回 新型コロナワクチン職域接種の補助、ありがとうございました。
私たちはワクチン接種を受けた側ですが、無事に2回目が終わってほっとしています。学生の皆さんはたくさんの方への対応や、細かな気遣いなど大変だったと思います。
今日は、実際補助に参加してみて感じたことなどお話を聞かせていただこうと思います。
どうぞ、よろしくお願いします。
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中田
今回の職域接種に参加するきっかけを教えてください。
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小林
今回は医療機関実習を2週間、本来なら行う期間だったのですがコロナの関係で行くことができず、代替実習を授業の中で行っていました。
その中の一つで、コロナワクチン接種の補助をするということを実習として学生同士が声を掛け合いながら、一つの単位として全員で行いました。
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中田
代替実習でコロナワクチン接種を補助することになって、どう思われましたか??
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林
医療従事者としてサポートすることに緊張はしたんですが、責任があることなので頑張らなくちゃいけないなと思いました。
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山本
全然知らない方達がいるということで、個人情報の扱いや、自分から積極的に行動して、進んでいかなければいけないなって思いながら参加しました。
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中田
どんなことを話し合ったり、どんなところを気をつけながらご準備されましたか?
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山本
まず、会場の設営の椅子を並べたんですけど。
椅子を並べる間隔だったり、ただ並べて終わりじゃなくて、椅子を消毒したりだとか、消毒も何回、どのタイミングでするかも話し合って決めました。
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中田
回数も?一人がいなくなったら消毒するとか?
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山本
接種が時間帯で区切られていたので空いてる時間だから今やろう!みたいな。
-
中田
次の方が来るまで、席が空いたから消毒しよう!みたいな感じで?
-
山本
そうですね。
-
中田
それは、自分たちがこのタイミングがいいんじゃないかなと話し合って決めたの?
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山本
消毒のタイミングは看護の先生に教えていいただきました。
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中田
人の流れって、違うじゃないですか?当日は人がすごくたくさんいたと思うんですが、思っていたタイミングで消毒できましたか?
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山本
消毒自体はできたんですが、時間より早く来られた方もいたので、その中で失礼のないように心がけました。
-
6.ポイントは声の大きさ、声のトーン
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久米
おふたりはどのあたりの担当でしたか?
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山本
午前は1階の誘導のところにいて、椅子への誘導をして、午後からは外に出て問診票の記入漏れのチェックをしました。
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林
私は2階での誘導と、1階入り口での問診票が書けていることの確認をしました。
−
中田
一人ひとりの問診票を丁寧に見て、書けていないところの説明をしていただけたので、参加した私たちもスムーズに受付をすることができました。
書けていない人もいっぱいいて困りましたよね?(笑)
-
山本、林
そうですね(笑)
-
中田
2回目のワクチン接種補助の学生さんに、1回目の方から改善点などの情報共有などはありましたか?
-
山本
時間帯で区切られてくるので、先にいた人たちが優先的に接種できるように順番把握はしておいてくださいと先生から言われました。
-
中田
先生、学生さんたちに重点的に伝えたことはありますか?
-
小林
一回目はスムーズさがなかったと言う報告があったので、学生に伝えたのは1回しかお会いしない人なので、きちっとした言葉で、導線を手で示すことでスムーズに動いていただけるというのを心がけなさいと。伝えました。
接種時間がまだ来られていない人は、こちらの席で。3時になるまでおかけください。
というのを大きな声で言うことによって、今お待ちの人もちゃんと時間を分けてくれてるんだとか、声かけひとつでその場の状況が共有できることもあるので、声の出し方やわかるように手で示すことを重点的に伝えました。
-
山本、林
うん、うん。(うなずく)
-
小林
あと、入り口のチェックは2回目から始めました。1回目は全てのチェックを2階でするようになっていて、かなりの時間がかかったので、学生ができる部分として担当に加えました。
なぜそれをしているのかきちんと説明して行いなさいと、伝えました。なので、途中だいぶ声は大きくなりましたね。(笑)
-
山本、林
(笑)
-
小林
一番初めは(控えめの声)「こちらです。」だったのが
だんだん(しっかりとした声で)
「こちらです!こちらにおかけください。」と言えていました。
-
二人
(にっこり)
-
久米
私は手の動きが印象に残ってますね。所作、が綺麗ですよね。そして、わかりやすい!と感じました。
わからないとか、どっちへ行けばいいんだろうと迷うこともなく、自然に誘導されている感じでした。
消毒したら中に入って、あ、ここに座るんだな、時間が来たら2階に上がるんだな、ここで待機するんだなっていう流れでスムーズに動けましたね。
誘導の仕方が上手(笑)
-
中田
ほんとに!
-
久米
いやでも、難しいですよね、頭でわかっていても人ってそのように動いてくれないのでね。
なかなか、できることではないと思います。
-
小林
全体像を見るために、午前と午後とでは学生の配置を全部変えました。
だから学生たちには全体像を見て感じたことを活かせるようにセッティングも片付けも全てしてもらいました。
「全体を見る」ということが代替実習の目的の一つでもあったかなと思います。
-
中田
林さんは参加してみて、しんどかったところや大変だったところはありましたか?
-
林
声かけひとつで、来た人の不安感って拭えると思うんですよ。
そこの声かけの仕方、声のトーンや表情にしても声が大きすぎても、小さすぎてもだめで、そこの調節をするのが大変で、
私は気を張っていたのでやっぱり最後は疲れたけど、いい経験になったなというのは思いました。
-
中田
山本さんはどうでしたか?
-
山本
普段の授業はずっと座ったままなのに、今回ずっと立ったままというのが足とか疲れました。
-
中田
そうですよね
-
山本
でも私たちは補助として、制服で参加していてその分目立つので疲れたところは見せるのは良くないと思っていて、姿勢も正していたんですが、そうするともう全身が痛くなって・・・(笑)
次の日、筋肉痛で、体が一番しんどかったです。
-
全員
(笑)
-
久米
以前少しオープンキャンパスを見せていただいたときに「医療事務」は病院の顔です。とお聞きしたんです。
-
小林
はい。
-
久米
今回のワクチン接種の対応ですとか、声のトーンを気をつけるとか、いろんな気配りをしていたと聞いて、実際の病院の顔となる「医療事務」の学生さんたちが受付で立派に活躍されている姿が目に浮かびました。
日頃の先生の教育が、行き届いているんだと思います。
-
小林
(学生に)よかったね。
-
山本、林
よかったです!
-
中田
バタバタした感じもなかったですね。
-
久米
現場がバタバタするとこっちにも伝わって、焦るんですよね。
-
山本、林、小林
そうですよね。
-
中田
ワクチン自体が初めてのことで怖かったし、不安でしたもんね。
-
久米
現場の動揺は感じなかったので、安心して接種することができました。
-
山本・林
そう言ってもらえると、うれしいです!
-
中田
当日、状況が変わる中で同じポジションで動いていた他の学生さんたちとは動きながら話し合ったりとかはされましたか?対応しながら、変えていった部分はありましたか?
-
山本
留学生学科の学生さんの対応の時に言葉が通じないというのが大変でした。
「一番奥」とか「何列目」というのも伝わらず、困っていたら、先輩が手でここです。とジェスチャーで示して対応してくれました。
そのことを、次のポジションの学生にも伝えてみんなが対応できるようにしていきました。
-
中田
留学生の方もたくさん来られていましたね。
-
山本
生年月日とか記入もできていない部分があったんですけど、なんて伝えていいのかわからなかったです。その伝わらなかったところが一番、どうしたらいいんやろって、難しかったです。
-
久米
難しいよね。
-
小林
特に2日目が多くて。それに問診票をお持ちじゃない方もいらっしゃって。すごく、イレギュラーなことがたくさんありました。彼女たちの担当の日ではなかったかもしれないですけど。
問診票の説明をするというところが大変だったと思います。
-
中田
でも、入り口の外で「問診票お持ちですか」という声かけだったり、記入漏れもチェックも素早くしてくださって、私たちはあまり待つというイメージはなかったです。時間帯にも寄るかもしれませんが。
あと、2回目の方が明らかに入り口にいる学生さんの数が多かったように思ったんですが、ごちゃごちゃした感じはなく、ざわざわもしていなくて、でもきちんと見てくれてて、次の行動ができるようにお声かけいただけてと、ほんと自然に動けましたね。
-
小林
よかったです。
-
久米
帰り道も別のルートで帰るようになってましたもんね。
-
林
来た時と帰る時って通る階段が違っていたと思います。多分自分だったら、来た道を帰るなと思ったし、実際帰ろうとしてしまったので、来る方もそうするだろうと思って、2回の誘導の際に「おかえりはあちらですよ」と、来た人がどういう行動をするかっていうのをちょっと考えてから、お声かけをするっていうのはすごく心がけました。
-
中田
実際、林さんの思った通りに、私は動きましたもん。
だから、成功ですね(笑)
-
林
はい(にっこり)
-
中田
自分だったらこうするかな、だから他の人もこうするかなって思って、じゃあ林さんだったらどう対応するかを考えたんですね。
その声かけがあるのとないのとでは、全然違うと思います。その声かけがあったからこそ、混雑を防げたこともあったと思いますよ。
普通イベント会場での誘導は大きな声で、「こちらです」というイメージがあるんですけど。
今回はワクチン接種の会場ということでその場にあった声のトーンや、違和感のないタイミングで声かけをされていたので、安心できる声だったなと思いました。
-
林
ありがとうございます。
-
久米
またどこかの病院で会えるかもしれませんしね。
-
全員
(笑)
-
7.3回目があるとしたら
−
小林
実は代替実習の中盤にワクチン接種の補助を行いました。
なので、この補助がいきなり何も勉強していない時期に授業だけをしていてできたかというと、それは難しかったと思います。
就職研修もありましたし、代替実習もあったので、基礎を知っていたからこそ、患者の気持ちを理解できたのだと思います。
また、どういう流れかという全体を知って、今自分ができているところ、できていないところをしっかり気づいた上で必ず振り返りをすることを大事にしていました。
昨日できなかったことを必ず振り返って、患者役をしたり、電話応対をしたり患者対応の練習を学内でしていました。
今回の参加は実際に動ける機会としてどこまで動けるか知りなさいという意図もあったんです。もちろん間違いがあってはいけないんですけどね。
彼女たちが気づいて、すぐこういうふうにしたほうがいいよねって言えたのは、普段実習する中で基礎ができていたことがすごく大きかったと思います。
医療従事者として心構えをきちんと知っておけば、どんなことがあっても3回目の接種があっても、そこに柔軟に対応できると思うので、途中の気づきの部分を大事にして、参加してほしいと思います。
-
中田
では最後になりましたが、もし3回目の職域接種がある。となったら?
-
林
そうですね。こういうふうにした方が良かったなと思う改善点を見つけられたので、もし3回目があるんだったら、ぜひ参加したいなって考えています。
-
中田
じゃ次はもっと完璧に?
-
林
もう、そうですね!(はっきり)
-
中田
すごい!
-
小林、久米
素晴らしい!!
-
林
次はもっと気を配って頑張りたいなって。そう思えるような体験だったので、次があるんだったら絶対、そうしたいです!
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小林、久米
おぉー、素晴らしい(拍手)
-
中田
山本さんはどうですか?
-
山本
私も参加したいです。
今回経験したからこそ、設営の椅子の間隔や個数だったりだとか、ここに椅子を置いたらダメやなとか、人の動線がわかったので会場の設営からもう一回してみたいです。
-
中田
みなさん、参加したい!ということですが、
小林先生は、どうですか?
-
全員
(笑)
-
小林
3回目したいっていうのは、今回の参加で、気づきがあったからこそ改善したい、その繰り返しが大切になってくるんだとおもいます。なので、3回目の接種に参加したいと言ってくれるのは、うれしいですよね。
−
中田
今後、それがずっと続きますもんね。社会に出ても同じ患者さんはいませんもんね。いろんな方がいて、その方に応じたお声かけがあって。
-
小林
だから普段からルーティン化はするなと。伝えています。
イレギュラーがあった場合にどうするかの方が大事で。ルーティン化したものは基本何日かすればできるので。
当日、しんどいながらに彼女たちは意識的に周りを見てたと思います。例えば靴袋がなくなってきたら、担当じゃなくてもつくらないといけないんですが、そういうところは言わなくても動けていたので、その部分では良くできていたと思います。
-
久米
靴袋も入れやすいようにセッティングしてくれてましたよね?
-
小林
そうですね。もちろん初めは言いましたけど、その次は、こういう方がいいと考えたり。動線も途中で変えようとか、
どうしようとか。もちろん相談もありました。わからないことは聞いてきました。途中椅子が足りなくなったりもしたもんね。
-
山本
しましたね。
-
小林
時間帯で椅子が足りなくなった場合にどうやって暑い中お待たせするのか、中に入れるのか、初めは並んだよね。
-
2人
並びましたね。
-
小林
椅子が足りないところに学生がずらっと並んで、でも対応できていたので。そこは偉いなと思いましたね。
-
中田
できてないなと思っていても、それを行動にするかしないかって大きく違うことで。
それをできるっていうのは、誰もができることじゃないって思うんです。
ー
久米
大人になればなるほど躊躇してしまうとこもあるもんね。
−
小林
もちろん学生も躊躇するんですけどね。
ただ、代替実習の時にその部分は指導します。
チームで実習を行っていたので、チームで協力できなかったことは、チームの責任で、しなかったりだとか。それをどう感じるのか、やってくれないと思うんじゃなくてどうにかやらなきゃいけないと感じさせるサイクルにしていたので、そういう部分ではいい発表の場だったなと思います。
学生生活の時の失敗は全然構わない。代替実習はむしろわからないことは聞きなさい。と言っていたら、ちゃんと聞いてきたので他の先生にも聞けていたし、聞くことを恐れないこともいいことかなと。
失敗を恐れない。
聞くことを恐れない。
でも2回はない!
した後どうするのか考える、次からどう動くのかを考える。そういうことを大切にしていってほしいと思っています。
-
久米
今回こんなに素晴らしい対応をしていただいて、感謝しています。
この気持ちを忘れずに、今後も活躍してください。
-
中田・久米
今日はありがとうございました。
ー
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