幅広い車種の整備ができ
基礎がしっかり身に付いた


矢野 琢弥
サービスチーフリーダー (トヨタ技能検定1級、トヨタ業務認定A級)

新卒で入職して18年になります。9年間整備に従事し、その後4年間エンジニアリーダーを努めました。次にサービス本部に勤務。現在、サービスチーフリーダーです。トヨタ社の理念や独自の専門知識を学び、先輩エンジニアから指導を受けながら整備士の経験を積む時期を経て、エンジニアリーダーになるとエンジニアの配置や工程を管理して現場をコントロールします。高難易度の修理も任されます。サービス本部では、本部内リーダーとして技術課に所属。「トヨタ検定」という技術検定に合格できるように若手エンジニアの教育や特殊な案件をメーカーとの間に入って協議を任されます。お客様の出迎え、お車の引き渡し、板金修理の見積もりや段取りもします。フロント業務は直接お客様とお話をしますから、質問にも的確に答えられる知識とコミュニケーション能力が求められます。

27歳の時に、会社を代表して技能コンクールに出場。その時に様々な人からご指導や応援をいただき、自分のエンジニアとしての「あるべき姿」をその時に描けました。そして、そこに近づけるように努力してきました。エンジニアとして技術力だけでなく、人と話す、説明するといったコミュニケーションの能力は年々成長してきていると感じています。自分なりの答えをしっかりと持ち、自分が納得した上でお客様に提案することを心がけています。

次はマネージャー、店長というステップになっていきます。店舗の目標に対して、どう達成するかを図るマネジメント業務です。新任サービスマネージャーになると、メーカーに集合し講習があります。月1回のマネージャー会議にも出席します。どういう風に先輩方がその業務に取り組んでいるのかを聞ける環境が整えられていて、現在マネジメント業務を学んでいるところです。

車の好きな友だちに影響され、高校3年の時に進路を決めました。どのメーカーに就職したいとか、どの車が好きというのもまだぼんやりしていましたが、穴吹カレッジの自動車整備学科では幅広い車種を整備でき、多くの就職先があることを高校の先生から教えられ、進学先に決めました。自宅から通えるというのもポイントでした。

エンジンをオーバーホールする実習がありましたが、部品の数が多く、時間のかかる作業で、当時の自分では限界があり、分解して元に戻すことの大変さを実感しました。先生に随分助けられて元に戻しました。上手くいかないことが多過ぎて、たくさん学ばないといけない、と痛感。先生からは「構造研究をしなさい」とよく言われました。分解するにしても、どこに何が付いていたのかを詳しくイラストにおこしたり、メモを残したりすることを御指導いただき、それが身に付いています。
自分はすごく先生に質問をするタイプの生徒で、わからないところをそのままにしない、自分の中でモヤモヤとしているところを残さない姿勢は、今の仕事に活きています。中途半端にせず必ず回答を得る、自分の答えを持つ、という精神や習慣をとことん教えこんでいただきました。

楽しかったのはスポーツ大会です。学年を超えてのソフトボールは、勉強とはまた別のカタチでクラスがまとまる感じでした。学園祭もおもしろかったです。僕らはエアバッグにスイッチを5個くらい付け、エアバッグが開けば当たり、開かないとハズレといった機器を配線から自分たちでつくりました。
先生のアドバイスを受けながら、どうすれば展開するかを考えたことが思い出に残っています。泊まりがけでの就職合宿もあり、そのときに面接の仕方や社会人としのマナーなどを教えていただき、とても助かりました。

車はどんどん進化し、扱いも難しくなっていますが、整備士は車のお医者さんです。修理できたときの達成感は格別なものがあります。後輩の方々。穴吹カレッジで車の基礎をしっかりと学び、一緒に仕事ができる時が来ることを楽しみにしています。
進路を考え中の高校生のみなさん。機械いじりが好きな人は整備士に向いています。分解したり組み立てたりするのが好きな人には、エンジニアとしての適性があると思います。穴吹学園では、たくさん色々な車に乗ることができ、修理もできます。基礎をしっかりと教えてくれるので、どこに行ってもやっていけると思います。自信を持ってこの道を進んでください。