2026.09.12
全体
松谷化学工業株式会社の奥村先生と株式会社レアスウィートの内山先生を特別講師にお招きし、スペシャル講義を実施いたしました。「希少糖とは何か」という基礎理論や機能性を学んだ後、1年生は「オレンジシフォンケーキ」、2年生は「マンゴーパッションの多層ムース」の製作に挑戦。最新の製菓素材とプロの技術を同時に学べる、大変貴重で贅沢な一日となりました。
1年生の実習は、オレンジシフォンケーキの土台となる卵黄生地の仕込みからスタート。材料を合わせる順番や混ぜ合わせるスピード、生地の温度などに細かく気を配りながら、ダマにならないよう丁寧に混ぜ合わせていきます。製菓の基本動作を徹底することが美味しさに直結するため、学生たちは先生方の言葉を思い返しながら真剣な表情で作業を進めていました。
しっかりとツノが立つまで泡立てたメレンゲと、先に作っておいた卵黄生地を合わせる重要工程です。メレンゲの繊細な泡をつぶしてしまうと焼き上がりの高さや食感が損なわれてしまうため、ホイッパーを使って「さっくりと手早く」混ぜ合わせるのがポイント。先生からのアドバイスを意識し、絶妙な力加減で生地を仕上げていきました。
出来上がったふんわり生地を、カードを巧みに使いながらシフォン型へと流し込んでいきます。中心の筒部分に生地がつかないよう注意しつつ、型全体へ均一に流し入れる作業には多くの1年生が苦戦。空気を噛ませずに手際よく生地を入れる難しさを実感しながらも、集中力を途切れさせることなく慎重に作業に向き合っていました。
オーブンで香ばしく焼き上がったシフォンケーキは、熱いうちに酒瓶の口に挿して逆さまにし、ゆっくりと粗熱を取っていきます。シフォンケーキは生地が非常に繊細なため、このようにひっくり返して冷まさないと自重で潰れてしまいます。焼き立ての甘い香りが実習室いっぱいに広がる中、美しい膨らみを保つための伝統的な冷却テクニックをしっかりと学びました。
奥村先生による専門的な座学講義の様子です。今回の講義では希少糖の機能性だけでなく、オーブンの中で生地が焼き上がる際に生じる「対流」のメカニズムについても分かりやすく解説していただきました。なぜ生地が膨らむのか、熱がどのように効率よく伝わるのかという科学的アプローチに、学生たちは大きく頷きながら熱心にメモを取っていました。
2年生の実習では、高度な技術が求められる「マンゴーパッションの多層ムース」に挑戦しました。まずはムースのベースとなる、風味豊かなバニラのアングレーズソース(カスタード風味のソース)を作成。火加減を細かく調整しながら絶えずかき混ぜ、適切なとろみと温度を見極める繊細な作業ですが、2年生らしい手際の良さでスムーズに進めていきました。
ムースの中央に忍ばせる「パッションマンゴーのセンターソース」を組み立てている場面です。今回は松谷化学様の技術である「加工デンプン」を活用することで、短時間でしっかりと固まる特性を生かしています。素早く固まることで、すぐにムースのセンターとして仕込むことが可能に。最新素材がもたらす作業効率の向上と製菓の可能性を身をもって実感しました。
冷やし固めたムースの表面に、艶やかな「グラサージュショコラ」を流しかけていく仕上げの工程です。温度管理やかけるスピードが不十分だとムラができたりツヤが失われたりする難しい作業ですが、流石は2年生。迷いのない滑らかな手つきで均一にショコラを纏わせ、まるで高級洋菓子店の店頭に並ぶような見事な光沢感を作り上げていました。
講師の先生方が制作された完成見本です。艶やかなグラサージュの上に、繊細で立体的なチョコレート細工が施されたシックで洗練されたデザイン。見た目の美しさはもちろんのこと、希少糖や加工デンプンを計算し尽くして引き出された味わいと食感のバランスは、まさに長年のプロの技術と経験があるからこそ。学生たちにとって大きな目標となる素晴らしい作品となりました。